【 攻殻機動隊 ファン必見】士郎正宗の創造の軌跡をたどる展覧会(士郎正宗の世界展〜『 攻殻機動隊 』と創造の軌跡~(世田谷文学館 開館30周年記念)

記事更新日: 2025年4月14日

士郎正宗ファン待望の初の大型展示会「士郎正宗の世界展〜『攻殻機動隊』と創造の軌跡〜」がついに開催されました。

長年にわたり国内外で高く評価され続けてきた氏の創作活動を、原画・設定資料・映像・立体展示などを通して追体験できる貴重な展覧会。本日は、その模様を少しですがご紹介します。

  • 開催期間:2025年4月12日(土)〜2025年8月17日(日)

会場に一歩足を踏み入れると、そこは士郎正宗の創造世界

展示会の入り口に足を踏み入れた瞬間から、訪れた者は士郎正宗の世界観に引き込まれます。入り口に設置暖簾とメインパネルがまず視覚を刺激し、続く空間にはどこか無機質でありながらもサイバーパンク特有の鋭さと緻密さが広がっていました。

各展示エリア紹介

Chapter① 士郎正宗の創造の軌跡 SHIROW’S HISTORY

展覧会の冒頭を飾るのは、士郎正宗氏の創作の歩みをたどるパート。
誕生から代表作の発表、さらには影響を与えた出来事や制作秘話まで、時系列でわかりやすく紹介されており、まるで“士郎年表”のような構成になっています。

パネルには名作コミックの表紙や名シーンが美しく展示されており、それぞれの作品の時代背景やトピックが視覚的にも楽しめる作り。
ただの年表ではなく、マンガやイラストが時代とともに語りかけてくるような構成になっていて、とても斬新で印象的でした。

Chapter② 士郎正宗の描き方 HOW TO DRAW

この章では、士郎正宗氏がどのようにしてあの独特な世界を描き出していたのか、その制作プロセスと使用ツールにフォーカスしています。

©️Shirow Masamune/KODANSHA ©️Shirow Masamune/SEISHINSHA ©️Shirow Masamune/「士郎正宗の世界展」製作委員会

展示では、フラットな線画の状態から、色が塗り終わるまでのステップごとの作業工程がわかる構成になっており、まるで制作現場をのぞいているかのような臨場感が味わえます。

また、アナログ時代の道具類の展示もされており、ひとつひとつのツールに“描く執念”が宿っているように感じました。

さらに注目すべきは、士郎氏の作品に影響を与えたと思われる参考書籍や資料本の展示
工学書、兵器の図鑑、建築設計資料、哲学書、そして外国のアートブックまで、非常に多彩なジャンルに及びます。
「このアイデアはここから生まれたのか」と気づかされる展示であり、氏の思考の源流に少しだけ触れられたような、とても深い没入体験ができるエリアでした。

Chapter③ アップルシード APPLSEED

士郎正宗氏の代表作のひとつ『アップルシード』にフォーカスした展示エリアでは、特に貴重なラフ画の展示がメインとなっております。

©️Shirow Masamune/KODANSHA ©️Shirow Masamune/SEISHINSHA ©️Shirow Masamune/「士郎正宗の世界展」製作委員会

展示されていたのは、鉛筆一本で描かれたと思われるアナログならではの質感が残る原稿たち。緻密な線の重なりと、迷いなく走った筆致からは、デジタルにはない“手の温度”を感じることができました。

キャラクターや背景、構図の検討がそのまま見えるラフの数々は、完成された作品とはまた違う、創作の「途中」が持つエネルギーを強く感じさせます。

完成された作品世界の裏側で、作者がどのように物語を組み立て、空間を設計していたのか。静かに並ぶラフ画から、そんな想像が膨らむエリアでした。

Chapter④ ドミニオン DOMINION

警察戦車「ボナパルト」をはじめとするメカニックデザインの細かさと、登場人物たちのテンポ感あるやり取り。その両面を体感できるように、原稿が展示されており、『攻殻機動隊』や『アップルシード』とはまた異なる士郎正宗氏の側面が強く伝わってきます。

Chapter⑤ 攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL

士郎正宗氏の代表作『攻殻機動隊』の展示エリアは、他の作品以上に作品世界の臨場感と没入感にこだわった構成となっていました。

展示空間には鉄パイプを使った工業的なデザインが施され、まるで公安9課の施設内部に足を踏み入れたかのような感覚を味わうことができ、装飾の一部として電光掲示板風のグラフィックや大きなイラストが組み込まれ、サイバー世界やネットワークの視覚的なイメージを直感的に伝える空間が広がっていました。

原画など貴重な展示の中でも、これをアナログで描き上げたのか!!と息を呑む展示も多く、ファンにはたまらない内容となっていました。

「義体」「電脳」「ネットワーク社会」といった攻殻機動隊の本質的なテーマが、空間全体を通して視覚的・感覚的に表現されており、展示というよりも“体験”に近い構成が非常に印象的でした。

©️Shirow Masamune/KODANSHA ©️Shirow Masamune/SEISHINSHA ©️Shirow Masamune/「士郎正宗の世界展」製作委員会

Chapter⑥ 仙術超攻殻オリオン ORION

『攻殻機動隊』『アップルシード』とはまた一線を画す異色作、『仙術超攻殻オリオン』の展示エリアでは、士郎正宗氏の独自の宗教観・神話観・世界観が色濃く表現されていました。

仏教や道教、ギリシャ神話、SF、そしてオカルト的要素までもが入り混じる本作。展示では、圧倒的な密度の作画原稿象徴的なモチーフが描かれた設定画が多数展示されており、ページをめくるごとに情報が押し寄せてくる“読書体験”をそのまま空間に再現したような展示構成になっています。

Chapter⑦ フチコマ FUCHIKOMA

『攻殻機動隊』シリーズにおける象徴的存在のひとつ、多脚戦車フチコマ。そのキャラクター性と機能美を兼ね備えたデザインに焦点を当てた展示が展開されていました。

まず目を引くのは、フチコマの設定資料原画の展示。各部の構造などが細かに描き込まれており、メカニックを単なる“道具”としてでなく、自律思考を持った「人格」ある存在として捉えていたことが伝わってくる展示でもありました。

また、会場ではフチコマ誕生にまつわるエピソードも公開されており、ユーモアや哲学的な着想がどのようにデザインに反映されたのかを知ることができる、非常に貴重な内容となっていました。

Chapte⑧ 士郎正宗のイラストワーク SHIROW ILLUSTRATION WORKS

Chapte⑨ SF 史と士郎正宗作品 SF HISTORY and SHIROW’S WORKS

Chapte⑩ 新作アニメ NEW ANIMATION

なんと、来年2026年には新作アニメが決定。新作アニメのティザーも見ることができるので、この機会に作品を見返したいと思う方も少なくないはず…

Chapte⑪ コラボレーション COLLABORATION

最後のエリアには、豪華アーティストとの作品コラボもあり、中には「カードキャプターさくら」などを手掛けた創作集団CLAMPによるイラストなど、レアすぎるエリア展示となっております。

フォトスポット

展示エリア内には、フォトスポットも設置してあり、可愛いフチコマたちが和室に!!

さらに、『攻殻機動隊』の名シーンやイラストのポーズを再現できる立体背景が用意されたフォトスポットもあり、少佐になりきって撮影することも可能です!

来場の記念にもぴったりで、SNS映えも間違いなしです。

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士郎正宗の世界展・特設ミュージアムショップ (グッズ販売)

展示をたっぷり堪能したあとは、限定グッズの販売エリアで締めくくりを。会場では、士郎正宗ファン必見のアイテムが数多く取り揃えられており、思い出として手に入れておきたいアイテムが盛りだくさんです。

ラインナップは、アパレル・アクリルスタンド・タンブラー・キーホルダー・ポスターなど、日常使いできるアイテムからコレクター心をくすぐる商品まで多彩。

中でも注目は、1/6スケールフィギュアなどの限定商品。絶対に手に入れたい方は、販売タイミングを狙って来場するのもおすすめです。

作品世界の空気をそのまま持ち帰るような体験ができるこのグッズエリアは、展示の余韻を楽しみながら、士郎作品への愛を再確認できる場所でもあります。

おわりに

士郎正宗の創造世界に没入できるこの展示は、彼の作品がどれだけ未来を見据えていたのかを改めて感じさせてくれます。

情報とテクノロジーの海に浸るような体験、ぜひ足を運んで体感してみてください。

開催概要

アクセス情報

会期2025年4月12日(土)〜2025年8月17日(日)
※4月12・13日はオンラインチケットのみ販売(当日券は販売しません)
オンラインチケットをご利用ください。
混雑時は入場制限あり
会場世田谷文学館
住所157-0062 東京都世田谷区南烏山1-10-10 
Google Map
展示室世田谷文学館2階展示室
時間10:00~18:00(展覧会入場、ミュージアムショップは17:30まで)
休館日毎週月曜日および5月7日、7月22日、8月12日。
※ただし5月5日、7月21日、8月11日は開館
観覧料一般1,500(1,200)円
65歳以上・大学・高校生900(720)円
小・中学生450(360)円
障害者手帳をお持ちの方750(600)円(但、大学生以下は無料)

*( )は団体割引[20人以上]・「せたがやアーツカード」割引料金で
〈当日券のみのお取り扱いです〉
【展覧会チケット:オンラインチケットを販売いたします】
オンラインチケットサイト:https://eplus.jp/setabun2025shirow-ex/
※詳細ページは順次公開となります


*当日券の予定枚数が終了した場合は、展覧会にご入場いただけません。
オンラインチケットサイトのご利用をお勧めいたします
*電話でのご予約は受け付けておりません
*週末・祝休日・会期末は混雑が予想されます。
平日、会期前半のご利用をお勧めいたします
*チケット販売の詳細は、変更する場合がありますので事前に、
世田谷文学館ホームページをご覧ください
TEL03-5374-9111
URL【世田谷文学館 公式サイト】
https://www.setabun.or.jp/
URL2【展覧会 公式ウェブサイト】(グッズ情報はこちら)
https://www.shirow-masamune-ex.jp
主催公益財団法人せたがや文化財団
世田谷文学館
講談社
パルコ
企画協力青心社
特別協力士郎正宗
後援世田谷区、世田谷区教育委員会
交通案内京王線「芦花公園」駅南口より徒歩5分
小田急線「千歳船橋」駅より京王バス利用
(千歳烏山駅行)「芦花恒春園」下車徒歩5分

士郎正宗の世界展・特設ミュージアムショップ

特設ミュージアムショップは、展覧会ご入場者のみのご利用となります

kirakira

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Cospot

世界中のコスプレを愛する人々を繋げるために生まれたアプリ。2才。 コスプレイヤー・カメラマンの皆様に役立つ機能を日々開発している。全てのコスプレイヤー、カメラマン、そして見る専の方々が、それぞれの形でコスプレというものを楽しめるようにすることを目標に、ユーザーの皆様に支えられ、少しずつ登録者が増えている。今日もがんばっています。


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