
【人類へのお願い】「忘却バッテリー」という漫画を読んでくれ
そもそも忘却バッテリーはどんな漫画?
結論から言うと、
忘却バッテリーという漫画を読んでください。
はい、ここから1話が読めます!
数ある野球漫画の中でも、異色の才を放つ本作品。
「どんなひとに読んでもらいたいですか?」と聞かれたら、「野球がよくわかってないひと」と答えたい。
それは何故なのか。
まず、主人公は野球のルールを知りません。
そもそも野球が好きではありません。
そしてメインの登場人物たちは、みんな「野球に関わらない人生」を求めています。
それでどうやって野球漫画を…!?!? 野球討伐ストーリーか…?
今回はそんな 野球について新しい角度から魅せてくれる漫画、
「忘却バッテリー」をご紹介していきたいと思います。
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あらすじ
清峰葉流火と要圭は、中学の硬式野球において「知らぬ者無し」と名を馳せる天才バッテリーだった。
あまりの才能に、そのバッテリーと対峙した選手たちは、みな自らの弱さに直面し、野球を辞める決意をしてしまう。長年続けた野球を諦めさせるほどの天才。誰もがプロになるのは、彼らのような者なのだと納得させられた。中学生たちは、悲痛な面持ちで未来を捨ててしまった。
清峰・要バッテリーに心を折られたひとり、山田太郎は「野球部の無い高校」を新天地とし、新しい学生生活をスタートさせる。
もう2度と野球には関わらない。そう決意し、野球の無い人生を歩み始めた彼の前に、とある人物が現れる。
その人物とは、心を折った張本人の 清峰と要であった。
「ここ、野球部、無いはずでは!?」と混乱する山田に、要が告げた驚きの入学理由とは!!!!!
登場人物
要 圭(かなめ けい)
本作の主人公のひとり。
知性溢れるリードで清峰を支え、その判断力は中学生のそれでは無い。圧倒的に「野球」の才能を見せつけ、数々の球児の心を折る清峰を導き続けた捕手。
であったが、記憶を失い、伴って知性も失い、空前絶後のアホになった。
そして全てのオファーを断り、「女子が可愛い」という理由で、野球部の存在しない都立の小手指高校に入学。家からも近く、本人はとても嬉しそう。
現在の性格は明るくフレンドリーで、お調子者。
ルールもわからないし、ダサいので野球が嫌い。
清峰 葉流火(きよみね はるか)
恵まれたフィジカルに、天才のセンスを併せ持った怪物。誰も敵わない投手であり、各チームが彼の才能を欲しがっていた。
しかし異様に圭を慕っているため、圭が推薦を断り、野球部の無い小手指高校へ入学へするというので一緒に入学してしまった。
葉流火自身は野球をやりたい気持ちに変わりはなく、記憶喪失になっていようがいまいが圭を野球に誘い続ける。
圭は記憶喪失なので、以前と同じプレーはできない状況だが、そんなことはお構い無し。上記に慕っていると書いたが、崇拝ではないので、圭がミスすると普通にキレる。
野球とそれに必要なことしか考えていない。
そのため性格は一見するとクールでドライ。冷たく感じる物言いも多く、意図せず他人を傷つけることがあるが、実際はただの野球馬鹿なだけである。
千早 瞬平(ちはや しゅんぺい)
かつて清峰・要バッテリーに打ち負かされた経験を持つ、頭脳派。
その最大の特徴は、綿密なバットコントロール、そして俊足。誰も追いつけないと自負する脚に加え、技術と戦略でプレーする。
上記の経験から、野球を辞めることを決意。道具を南京錠つきの箱に封印する。ちょっとイタいが、これは本人も後ほど苦しむことになる。
しかし野球部の存在しない小手指高校に入学するも、「出会い」によって再び野球を再開することとなった。
性格は少々捻くれており、論理的。
野球から離れておしゃれに目覚めたので、ちょこざいな感じがある。
周囲をよく見ており、フォローが上手い。同じくらい人を煽るのも上手い。
藤堂 葵(とうどう あおい)
試合でのミスから送球難となり、野球をやめてしまったが、強肩強打の遊撃手として名を馳せていた。
見た目を派手にし、かつてはバットを振るっていた手で人を殴るようになってしまい、喧嘩に明け暮れていた。
野球を目に入れないようにするために野球部の無い学校へ進学するも、彼もまた圭たちとの出会いにより野球を再開。
見た目と裏腹に意外と面倒見が良く、料理もできるしツッコミもできる。仲間思いだが、単純なところがあり、千早におちょくられることがしばしば。
めちゃくちゃ美人のお姉さんと、めちゃくちゃ可愛い妹がいる。
山田 太郎(やまだ たろう)
野球を志し、懸命にプレーしてきたが、その他大勢と同じように清峰・要バッテリーに敗北し野球を辞めた球児のひとり。
とても平均的な見た目をしており、その容姿からして「山田太郎っぽい」と言われるほど。
穏やかな性格をしており、心優しいがツッコミは鋭い。
若干圭に対するツッコミは鋭さが増しているように感じるが、誰も相手にしない圭のSNSで絡んであげるなど、やっぱり優しい。
要を野球に誘い(清峰は勝手に始めていた)、千早や藤堂をつなぎとめ、数々の才能の前に腐らず努力を続けている。
ここからネタバレを含みます(タッチ、またはクリックで詳細を開く)
小手指高校野球部にこの人アリ。と言わずにはいられない、最高の選手のひとり。
山ちゃんがいなければ、小手指高校野球部はこうじゃなかった。
この作品では、各所に感動的なシーンがある。
その中でも「治らないと諦めていた藤堂のイップスを克服するシーン」は感動して涙で前が見えない。山田太郎は、あの時確かに、ひとつの絶望を打ち砕き、1人の人間を救った…
しかし山ちゃんの凄さはそれだけに止まらない。
「長年使っていた道具を変える=転向」を描いたシーンは、大仰に描かれず、日常の一コマのようにスッッッッッ…とその決意を読者に注ぎ込んできた。
彼の中にあった決断を、何気ないやりとりのワンシーンに落とし込み、「こういうことが、高校野球では、あるんだ。当然のように、当たり前のように」と野球素人に教えてくる…
きらめきだけではない、青春の陰りまでも見せる。山田太郎、君が小手指野球部の未来だ。
出会ってしまった、天才的なこの漫画に…
原作漫画の素晴らしさに加え、2024年4月から放送開始したアニメ。
こちらもスタッフの愛を感じる、素晴らしい仕上がりです。
この記事を作成している時点ではまだ全話放映されていないのですが、すでに神アニメです。
実はアニメでは「あまりにすんなり入ってくるが、原作漫画には無かったシーン」がいくつか登場します。
「それってアニメオリジナルでしょ? よくあることでは??」と思うじゃないですか。
アニメオリジナルの会話であることにはすぐに気がつくのですが、それにしてもあまりに「自然すぎる」。
なんとそのシーン、作者のみかわ先生によるネームの描き下ろしだったのです………
そ、そんなことある??? しかもこれ一度にとどまらず、何度もあります。
読者にそれを感じさせる表現力、これ、こういうのが才能で、こういうのを与えられた時、オタクは感極まるんです。
OPのワクワク感、EDの来週が待ち遠しくなるあの日の童心、作画や声優さんの演技も相まって最高の作品になっています。
というわけで、人類の皆様におかれましては、何卒「忘却バッテリー」という漫画を読んでいただきたくお願い申し上げます。